ミドルスペックのゲームPCの基本構成を見てみると多くは500W電源を使っていることが多いです。確かに500WあればCPU、GPUの必要最小電力はクリアしています。しかし、500W電源では拡張時に心もとない可能性もあります。そして電力の供給を十分に安定させるには少し不安があります。
その理由として500W電源であれば実際の電力出力量は約80%程度になります。単純計算で約400W程度しか実質は出力できていないのです。
これを電力変換効率と言いますが品質を保証する「80PLUS規格」で定められています。80PLUS品質のBRONZEで電力変換効率は80%が保証されています。ランクが上がるにつれて変換効率は良くなりますが最大で約90%となります。
つまり500W電源だとどんなに良い品質の電源を使って約400W〜450Wの電力供給しかできません。
高性能なCPUになると140W〜160Wの消費電力となります。グラフィックボードは省電力化が進んでいますが150W〜300W以上のものがあります。この2つのパーツだけで300W〜400Wが消費されると500W電源では非常に心苦しいです。その他への電力供給がたかが知れていますが電源を常にフルパワーで使っていると電源ユニット自体の寿命も早くなります。
700W電源をおすすめするには理由があります。標準構成でよく見る500Wは高性能パーツに切り替えた時に電力が厳しい…
700W以上になると電源ユニットの価格も上がります。また電力も過剰となります。コスパが悪いですね。なのでハイスペックPCで最も電力供給バランスに優れているのが700Wといった結論になります。(ただしグラボ2枚刺しのSLI接続だと1000W以上が推奨されます)
700W電源だと実質の供給量は約560W〜630W程度になります。これならCPU、グラフィックボードの消費電力が大きくても丁度良いバランスとなります。
ロースペック、ミドルスペック程度のゲームPCであれば省電力化が進んでいるので500Wでも問題はないですがCPU、グラフィックボードを高性能モデルに切り替える予定のある人は最初から700W電源を搭載させた方が安心してスペックを上げることができます。
電力の変換効率を保証する80PLUS規格。ランクによって変換効率に違いがあります。電源選びの際に目安にする時に活用してください。
80PLUS品質 | 負荷率20% | 負荷率50% | 負荷率100% |
---|---|---|---|
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
BRONZE | 82% | 85% | 82% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
TITAN | 92% | 94% | 90% |
80PLUS認証された電源には上記のロゴシールが貼ってあります。
電源選びのもう一つのコツとしてはシステム全体の消費電力に対して約5割〜7割は電源に余裕をもたせると安定したPC動作や長寿命にも繋がると言われています。例えばCPU+グラフィックボードの消費電力が250W程度であれば最低でも500W電源を選ぶのが理想の電源選びとなります。